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山行記録

~公開山行や個人山行の記録~

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松戸山の会

山行記録

 谷川連峰・平標山〜行く手を遮るものはなし〜 


 山名
平標山1983.7m
 山行日
2013年3月9日(土)〜10日(日)
 人数
L:K田ほか7名
 コース
3月9日(土)晴れ元橋登山口−鉄塔(雪洞・テント泊)3月10日(日)晴−暴風雪鉄塔−平標山−元橋登山口
 費用
 
TAG:谷川岳,雪山・スキー,平標山
 
コースmap
平標山 松手山コース

 コースタイム詳細

3月9日(土)晴

松戸(6:00)=関越自動車道=元橋登山口(11:25)(11:50)〜鉄塔(15:05) 雪洞泊4人、テント泊4人(時間切れと雪が堅い為)


3月10日(日)晴−暴風雪

鉄塔(6:30)〜松手山(8:40)〜稜線ピーク(9:30)(9:40)〜平標山(10:40)〜松手山(12:40)〜鉄塔(13:30)(14:30)〜元橋登山口(16:50)=関越自動車道=松戸(23:00)


 好奇心に身を任せると、時に人は無謀。

松戸山の会への入会でさえ、私個人にとっては、無謀とも思える勇気ある行動でした。その私が入会最初の山行に選び抜いたヤマ。それが雪山教室の平標山でした。

この選択が、勇気ある行動だったのか、無謀な挑戦だったのかは、数年後に答えが出るのかもしれない、そんな山行だったことは確かです。

 第1章 下ごしらえ

 

ヤマノボリは何度か行っているのに、すべてが初めてのような気持ち。すべてが新鮮な不安。むむむ。装備がない。何を揃えればいいのかわからない。そこはすべて、ワタナベアツコ様の指示に従うことで、徐々に私の不安が浄化していきました。

足りない装備は、H谷さんにお借りしました。このようなことができるのは、山の会ならではだと感じました。

山行ミーティングも新鮮そのもの。淡々と話が進んでいくなか、何とも言えない戦慄が腹から背中から圧迫していました。やはり装備についての不安が脳内を占め、必死な思いでお借りする装備を記録したのでした。

いざ、パッキング。初めて使う新しいザック。初めて使う寝袋類。初めて初めて・・。むずかしいー!パッキングが非常に難しく、3日を要しても、前夜の就寝はAM1:00。先が思いやられました。

 第2章 出立の朝

 

松戸駅ちばぎん前を6:00に出発。勝手のわからないまま車に乗り込みました。高速道路は渋滞のため、車がぎゅうぎゅう詰めの状態。今回の山行ミッションは雪洞掘りでしたので、渋滞只中の車内ではそのことが気がかりなムードとなりました。

時間内に8人分の雪洞が掘れるのか、否か・・。少なくとも、何もかもが初めての私にとっては、気がかりな往路でした。

 第3章 登山口〜鉄塔の足もとに穴を開ける

ここから歩くのですか?と考えるのも束の間、ワカンを装着して、さっそく歩き始めました。平原を歩いて間もなく急な斜面に躍り出ました。登ってみるとワカンなら案外苦にならないので驚きました。

ただ、ワカンを操るのは大変。踏み跡にワカンを踏み合わせるだけだと雪が崩れてしまうので、重心の位置を変えたり足首の動きに注意を払ったり試行錯誤を繰り返していました。

 

樹林帯を越えたところからは、雪庇のせり出しを右手に見ながら注意深く歩を進めました。雪庇があるのは見た目でもよくわかったのですが、「どこからが雪庇?」と、まさに気分は抜き足差し足。このあたりから、持病の頸椎症が災いをなして、頸の周りの筋肉が悲鳴を上げていました。

それでもようやくワカンに慣れたころの15:05、ついに鉄塔到着!このときの心境は「頸周りが痛い」。疲れよりも、達成感よりも、痛みが主役でした。「や、休みたい・・」。

がしかし、今回は休んでいる暇などなく、「雪洞掘るぞー」というK田さんの元気な声が無情にも響き渡るのでした。そう。今回はあくまでも雪洞訓練。このとき、広島東洋カープの故・津田投手の「弱気は最大の敵」という言葉を無理やり思い出し、気持ちを奮い立たせてミッションに立ち向かいました。

強張った上半身に鞭を打ち込みましたが、なかなか勝手がいかず、個人的には十分には働けませんでした。日が落ちるにしたがい、とくにK田さんやT葉さんは馬力をあげて、がつがつと掘り下げていきましたが、とうとう時間切れ、雪洞は8人分とはいかず、4人が入れるところまで作って、他の4人はテント泊という判断を下しました。

4人分を作るのにもものすごい労力がいるのだと実感し、「緊急時にこんなことができるのであろうか」と、ただ自分の体力の限界に打ちひしがれてしまった、そんな暮れなずむ鉄塔の足もとでの出来事でした。

 第4章 テントの夕げ〜雪洞の浅い眠り〜出発

 

夕食はテント内でいただきました。おいしかった煎餅汁に豚汁。ただ、このとき、頸椎から腰椎まで痛くて、愉快に味わう心境になれなかったのが心残りとなりました。

雪洞で寝ることになったのは、K田さん,M山さん,T葉さんと私でした。雪洞は2つ作ってあり、1つは3人分、もう1つは1人分でした。私は3人部屋に入ることになりました。部屋はちょうど3人が足を伸ばして寝られる面積に、座ったら頭をかすめる高さで、荷物は雪洞の外に置くことになりました。

初めての雪洞のなか、初使用のシュラフ類、脊柱まわりが痛い、生き埋めの恐怖、寒さ(防寒が甘かった!)で入眠のタイミングを逃し続け、浅き眠りのまま朝を迎えてしまいました。しかしこれもまた、求めていたといえば求めていた、いい経験でした。

朝食もテント内でいただき、体を温め、出発の準備にとりかかりました。平標山山頂までの道のり、不要な荷物は雪洞の中などに置いて、1日目よりは軽量化できたことが、その後に巻き起こる波乱に屈することなく生還できた1つの要因だったと、いま噛みしめています。

 第5章 快晴!〜怪雲〜暴風雪!

スタートは快晴で、ワカンに体が慣れてきていた私も、ようやくゆとりをもって景色を愛でることができ、空の青と雪の白さのコントラストに感動しました。雪庇はなおも右手に続いていて、ところによっては大崩れ、割れ目があり、雪庇の危うさを間近に見ることができました。

 

木製階段がせり出したところで、ワカンからアイゼンに交換。階段では久しぶりに地に足をつけたような感触、安定感が心地よく「アイゼンは歩きやすい」と思ったのも束の間、すこし行くと、足もとの雪は柔らかく、雪中はなかば空洞化していて、ずぼっずぼっと足もとが抜けて歩きにくい状態でした。

右手向こうには、やや曇りがかった切れ間から平標山山頂の標が見え、「よしっ、いくぞ」 と燃えるものを感じながら、一方では、左手から吹いてくる風と怪しげな雲の冷気を感じながら、ひたすら進んでいました。

すると、みるみるうちに左手からくる冷気の勢力が勢いづき、目の前の視界が狭くなっていき、雲で白んでいく視界に「ホワイトアウトの始まりかな、これ」と、意外に冷静に置かれた状況を察知しました。左風は、気づいたときにはすでに暴風雨雪と化し、左半身は雪氷で白くなっていました。どんどん強くなる風。どんどん冷える体。一心不乱となる思考。息で曇ってしまうメガネを外し、目の前の人の運ばれる足を頼りに一生懸命歩きました。

とにかく歩を進めること一念で黙々と行き、ふと頭を上げると、標が!

 

あとはなりふり構わず、顔が隠れ誰とも分からず握手、握手、握手。「着いたー!」と声には出さず心で叫び、状況に耳を澄ませました。「写真、写真」。撮ったらすぐ、「じゃあ下りるぞー」。

暴風雪がマキシマムまでギアを上げたとき、歩みを止めて立ち尽くしてしまうほどの衝撃がありました。「うわー、冷えるぅ」。ある程度下りたところでワカンを装着する合図がありました。アイゼン外しとワカン装着は暴風雪のなかで難易度が高まり、私だけができませんでした。そのあとは、ズボズボと深雪のなかを、落ちては上がり、落ちては上がりを繰り返しながら、鉄塔の影を探す復路でした。

ようやく風雪が凌げるようになったのは、樹林帯近くまで下りたときです。それでも、木立の間隙を這うようにして暴風雪が吹きすさび、動きを鈍くさせられました。

 第6章 嫌いだった鉄塔を好きになる

 

「見えた!」

鉄塔の頭が見えたとき、私のなかで景観を損なう象徴だった鉄塔が、なによりも確かな道しるべとしての存在に変わってしまいました。見えてしまうとそこからは再び一心不乱で、気づいたときには鉄塔の足もとが見えていました。

雪洞にはすっかり雪が入り込み、身支度にかなり時間がかかってしまいました。そのため、テント収納や雪洞崩しの手伝いができず、身支度1時間などあっという間、要領の悪さを痛感しました。

 第7章 下山〜温泉〜帰路

鉄塔では、途中で変えられなかったワカンに履き替え、目標を鉄塔から温泉に変え、下山を始めました。下山途中、急斜面に対して後ろ向きで下りる場面があり、K田さんの怒号に応えながら雪山での技術を習得していったのは、いい経験でした。

16:50。元橋登山口に無事下山。下界も雪が降っていました。このときの心境は、「ザック早く下ろしたい」「地面を靴で歩きたい」「温泉、温泉♪」。

温泉はスノーボードの客を含め、人だかりの大賑わい。帰路はサービスエリアで食事をして活力をつけ、大きな渋滞に遭うことなく、23:00松戸駅で解散しました。

写真をクリックすると大きな写真を表示します。

 K藤S 記

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