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山行記録

~公開山行や個人山行の記録~

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松戸山の会

山行記録

 西上州・裏妙義山 


 山名
丁須ノ頭 1057m
 山行日
2014年5月24日(土) 天気は晴れ
 人数
CL K井さん、SL O越さん、A子さん、K池さん、M二さん、E作さん、M谷さん、K村さん、S平さん、グッシー(記)
 コース
国民宿舎〜丁須ノ頭〜三方境〜丁須ノ頭
 費用
1台=高速代5,580円 320km=13,440円 合計19.020円
 
TAG:上州・北関東,登攀・沢登り,裏妙義山,岩登り
 
コースmap
裏妙義山 登山コ−ス

 

 コ−スタイム

松戸市民劇場前6:00発―外環三郷―大泉経由―関越道―藤岡―上越道―松井田・妙義IC−横川―国民宿舎前P8:50/9:00〜丁須の頭11:05/11:35懸垂下降練習〜半マストによる20mのチムニーの降下12:35〜三方境14:25〜国民宿舎15:50−松戸着18:50

 

 さすが、親分

岩屋の親分、K井さんから「裏妙義行くよ。ここに名前書いて」と言われ、参加した私。山行記を書くことになり、あらためて山行計画書を見直してみた。

目的欄には「7点セットを使用した危険個所の通過実践」とある。あれ!使い方教えてもらってないよ! 聞いてないよ! 親分、どうなっているの!

なんでそうなったか、読者の皆さんと振り返ってみよう。

20mチムニーをクライムダウン
20mチムニーをクライムダウン

国民宿舎でストレッチをしたあと籠沢(こもりさわ)コースから丁須の頭をめざす。最初はゆるい登りの杉林を行く。先頭のK井さん、2度目のお遍路完遂で鍛えたせいか、足が速い。

2番手のK池さんを置いてゆかんばかり。上記の参加者をご覧あれ、本会のそうそうたるつわもの揃い。M谷さん以下、私まで4人は入会1年未満の新人会員という組み合わせで、偶然にしては面白い。

S平さんはメンバー表を見て、「その日からトレーニングを始めた」そうだ。K村さんもついて行けるか不安になったという。

しばらくすると巨岩が連なる沢を遡上する。最初の大きな鎖場は2段8mだ。地図には「この鎖が困難なら戻ること」と記されているが、全員スイスイである。

傾斜が急な鎖場は、一人ひとり順に上がるので後方は待ち時間ができる。「そういう時、休めてよかった」とK村さん。難路の利点である。実は後日談になるが、K井さんが急いだ訳、「先頭だから、いい写真撮ろうと思ってね、小走りしたんだ」

籠沢のコルまでは長い鎖場があったが、7点セットを使わずすんだ。そのコルから急な岩場をよじ登ると、かの有名な「丁須の頭」の基部につく。十数人は座れるテラスである。さらにそこから3mほどの鎖を登ると丁須の頭直下に着く。そこは5人ほどが限度の広さだ。

てっぺんに立つK井さんと下の筆者
てっぺんに立つK井さんと下の筆者

ここから垂直の壁に吊るされた鎖をたよりに登ると、丁須の頭のテッペンに立てる。壁の長さは4m位だが、周りは深く切れ落ちている。昭文社地図「西上州」の解説によれば、「妙義全山で危険度は最高」(打田?一著)という所だ。

私はしばらく下のテラスで待っていたが、みんな順繰りに降りてくる。岩の先生、M二さんも、雪山・岩山オールラウンダーのE作さんまでが。O越さんなどは「オレはー、高い所が苦手だ。オレの前を行ったり来たりせんでくれー」とテラスに座り込んだまま動こうとしない。

丁須のテッペンは今回のコース外である。しかしだ、テッペン直下まで来て、誰も挑戦しないようでは松戸山の会の名が廃るのではないか? 後で両人に聞いたところ、「もう3回も登ったし」(E作さん)、「俺、ハーネスしてなかったし」(M二さん)とのことだった。

私は機会があればとハーネスを持参していた。もしかして誰かが先に登ってトップロープで上がるとか、スリングとカラビナで確保すれば行けるのではと密かに期待していたのである。もうテッペン直下には私とK井さんしかいなくなった。その時である。K井さん、「G堅くん、行ってくるよ」とザックを下ろすや鎖をつかんで登り始めたではないか。

空身である。一切の道具も身に着けてない! しばらくすると、テッペンに上がって皆に手を振っているではないか。お遍路で怖いものがなくなったのかー。

よし今度は俺がと思っていると、上からK井さんの声がする。

「G堅くーん、上がったら危ないよ、登んないほうがいいよー」

ええー!と思いつつも、外岩歴4か月ではしょうがないか、と断念した。

さて、丁須から先は難所が続くので全員、120?スリングで簡易ハーネスを装着する。誰かが教えてくれるわけではなかったので、一度、江戸川河川敷で教わったことを思い出しながら着けた。

肩から胸を結ぶチェストハーネスだ。ただ、E作さんは腰から股を通すウエストハーネスをしている。チェストはぶら下げられた時、腕がバンザイしてしまうという。どちらがより安全か、知りたいものである。

丁須の頭から15分位、険しい岩場を抜けると、今回、最高の難所である落差20mのチムニーに至る。垂直の岩壁に縦に走る割れ目があり、鎖が吊るされていて、そこを下降する。

桟道を行くK井さん、K池さん、A子さん
桟道を行くK井さん、K池さん、A子さん

一般に岩場や鎖場では、登るより下るほうが難しい。下を見ると高度感で怖くなったり足元が見えづらくなるからだ。K井さんが支点にカラビナを掛け、半マスト(ムンターヒッチ)で下ろしていく。降り方は各人まちまちで、ロワーダウン、クライムダウン、ロープ確保なしのセルフビレイ降りがあり、時間短縮のため私はセルフで下降した。

この半マストによる下降技術であるが、次のような指摘がある。

「確保器/下降器を忘れた場合や、紛失してしまった場合などの緊急対策用に覚えていたほうが便利です。ただしロープは傷みます。また確保に使う場合、繰り出すだけならOKですが、たぐり寄せるのはかなり難しくなります。」(北山真著「フリークライミング」)と、消極的な評価である。

私が持っている確保器・下降器は、ブラックダイヤモンド社製のATC−XPで、重さは64gで環付カラビナより軽い。値段も2,200円とそう高くない。ロープの信頼性はとても重要だし、覚えにくい結びなので、個人的には半マスト下降は再考の余地があると思うが、いかがでしょうか。

さて、全員、無事にチムニーを降りると昼食となった。周りを見渡すと一面の笹に、花が咲いている。こげ茶色の花穂から可憐な黄色い花がぶらさがっている。60年周期で花が咲き、夏に実をつけた後、すべてが枯れるそうだ。

笹はイネ科でその実は、会津磐梯山の歌詞、「笹に 黄金が エ〜又なり下がる〜」に歌われ、また女工哀史「あゝ野麦峠」の野麦と表現され、食用になったという説がある。初めてのとても貴重な花に出会えた。

私達の後から、一人の青年がチムニーを降りてきた。チムニーの上部でお先にどうぞと道を譲ったのだが、「どうぞゆっくり」と待っていてくれた。空身で降りてきたので周りから自然に拍手が起きた。この青年、我々グループを気に入ったのか、登山口の国民宿舎まで同行することになった。年は20代半ば、製薬会社の営業マンで、最後尾に位置するSLのO越さんのクセのある会話に丁寧に応答していた。

チムニーを過ぎると、赤岩、烏帽子岩まで、進行方向左側が切れ落ちたトラバース道が延々と続く、難所の連続だ。後で地図で測ってみると1?ほどある。右側の岩壁には鎖がついていて、簡易ハーネスに繋いだ60?のスリングとカラビナを鎖に掛けて進む。支点では、二つのカラビナで掛け替えをし、常に鎖に繋がっている状態をつくる。しかしここでも、その説明はない。

笹の花(K村さん撮影)
笹の花(K村さん撮影)

今から振り返ると、妙義のような難路では、人ひとりしか立てない道幅で、一同、顔を合わせて説明するスペースがないのが一因であろう。あとは、つわものが多かったせいもあって、K井さんも説明を飛ばしたのでしょう。ところが、私のカラビナがベントゲイトタイプで鎖が大きすぎて入らない。仕方ないのでデイジーチェーンで輪を作り、鎖に掛けることにした。カラビナの径サイズに注意する必要性を感じた。

赤岩直下あたりでM谷さんがほうの木の花を見つけた。大木であるが、崖下から立ちあがっているので目の高さに、白くて手のひらサイズの大きな花がある。これまた初めて見る。M谷さん、涼しげな眼でK村さんと「これ、ほうの木よね」などと会話している。そこへO越さんが加わる。

「ほうー」

O越さんは楽しい人だ。前回同行したの谷川岳でもギャグを飛ばしていた。今回も笹に話題が及んだとき、

M二さん「笹はイネ科なんだよね」

O越さん「よく知っているね。オレはサンフジン科しか知らないんだ」

ほうの木の花(K村さん撮影)
ほうの木の花(K村さん撮影)

やや下ネタ系が得意なようだが、難路の緊張感を和ませてくれる貴重な存在である。

ほうの木あたりから、「桟道」が現れた。桟道とは「山の切り立った崖などに棚のように設けた道」(広辞苑)のことで、場所によっては鉄筋が突き出ただけの所もあった。険しい岩山を歩かないと出会えない語彙(ごい)である。知らなかった世界が、崖の向こうからやってくる。だから、山は楽しい。

トラバース道を通過し、三方境でしばし休憩。ここでA子会長が、あの柔和な顔で、かの青年に声をかけた。

「今日はね、おばさんだけだけどー、松戸山の会には若い子がいっぱいいるわよ。会のホームページを見てね」

さすが会長、会員拡大に余念がない。この青年に、例会で会える日が来るのか、未来への楽しみがひとつ増えた山行であった。笹の話に戻るが、8月頃の実りはどんな風景か、見たいと思う。なんせ60年周期のまれな現象だ。その時のついで、丁須のテッペンに、今度は立てるだろうか。

 グッシー(記)

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