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山行記録

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松戸山の会

山行記録

 mtMcKinley 6000メートルの上と下 


 2014年6月28日(土)午後7時15分 マッキンリー(6168m)登頂

7年前の入会時にはマッキンリーに登頂しようなどとは考えてもいなかった。

今、6000mに登っておりてきたことは意味のあることだと実感している。

マッキンリー頂上
マッキンリー頂上

 2009年11月28日、29日 東京大学検見川総合運動場にて

日本勤労者山岳連盟主催の『第21回全国海外登山集会』が千葉県勤労者山岳連盟の主管で開催された。この会合に参加し、近藤和美さんのマナスル登山報告や大蔵喜福さんのマッキ

ンリーでの気象観測の講演を聴かなければマッキンリーに登ってみたいとは思わなかったであろう。

殊に大蔵喜福さんのマッキンリーでの20数年に亘る気象観測の講演は印象的だった。

北緯63度の独立峰であるマッキンリーは風速が70m/秒になることもあり気象観測が極めて困難で、植村直己さんや山田昇さんなどが厳冬期に遭難したこともこの気象条件が起因しているだろうとのことであった。そんな厳しい山でありながら大蔵さんの話は興味深く、NHKのグレートサミットの撮影隊に現地で食料を分けてあげたり、下山後はアラスカの川でサーモン・フィッシングが楽しめることなど多才な人柄にも好感がもてた。

さすがは椎名誠氏の「あやしい探検隊」のメンバーで、椎名氏から“タワシ髭”のニックネームを命名されている人物である。

講演の後、マッキンリーに連れて行って貰えないかとお願いすると、近うちに公募隊を募るから、是非行きましょうと快い返事をいただいた。なんと無謀というか相当な自信家である(私ではなく大蔵さんが)。

その後、大蔵さんの主宰するオー・ツー登山塾に入塾して親交を深め、公募の機会を待っていたところ2012年に案内をいただいた。その時はまだ定職をもっていたのでスケジュールの都合がつかず、昨年は家庭の事情で断念したが3年越しでやっとチャンスが巡ってきた。

今回の公募隊のメンバーは隊長の大蔵善福(63才)をはじめ4名ということになった。

 2014.6.11.19:00pm (晴れ)

登山口となるランディング・ポントにセスナで到着。滑走路はカヒルトナ氷河で、マッキンリーが望める最高のロケーション。ここに一泊してから登山開始。(表紙写真参照)

 2014.6.12.16:30pm〜22:30pm (曇り)

ランディング・ポイントからC1へ。カヒルトナ氷河の眺めを楽しみながらゆっくりと登る。レンタルの山スキーと橇の扱いに慣れずに手こずる。やっぱり装備は自前の物を用意すべきと痛感。

 2014.6.13.14:00pm〜02:30am (曇り、時々ホワイト・アウト)

C2はサイトがあまり良くないとのことで一気にC1からC3へ。橇だけで荷上げをするが、やはり荷物はリュックと二分したほうが良さそうである。8時間かけてやっとC3に到着。C1への帰路、橇に流れ止めをつけていなかったため氷河のはるか彼方に流してしまった。

サーファーとして反省。

 2014.6.14 (晴れ)

オフ。天気も良く日向ぼっこしながら過ごす。

 2014.6.15.8:30am〜16:30pm (曇り、時々ホワイト・アウト)

C1からC3に移動。この日もホワイト・アウトが続く。景色が良ければ疲れも感じないのだが、視界がないのは辛い。Oさんは体調が良くないとのことで残念ながら下山することになる。

 2014.6.16〜17 (晴れ)

オフ。色々食べて過ごす。何を食べてもとにかく旨い。日頃雪山ではあまり食べないのだが。

左手の薬指が腫れて凍傷を疑うが、黴菌が入ったようで薬をぬって処置。

 2014.6.18.10:30am〜20:30pm (曇り、時々ホワイト・アウト)

C3からメディカル・ポイントへ荷上げしてC3に戻る。この日もほぼホワイト・アウト。モーターサイクル・ヒルもウインディー・コーナーも区別がつかなくて分からない。体力が勝負のマッキンリー。

 2014.6.19.12:15pm〜19:00pm (曇り、時々ホワイト・アウト)

C3からメディカル・ポイントへ移動。この日は少し吹雪いてまたまたホワイト・アウト。高度も上がってきて息苦しさを感じる。やっとの思いでメディカル・ポイントに到着。

 2014.6.20 (晴れ)

客人あらわる。単独のI川さん29歳。隣のサイトにいたので声を掛けると我々のテントに来てくれた。生まれた時には植村直己さんは行方不明になっているにも拘からず、植村直己さんの偉大さに惹かれゴロ―で植村直己特注の登山靴まで誂え、仕事を辞めて挑戦しているとのこと。レンジャー事務所で皮靴では凍傷の危険があるから入山は許可しないと言われたため、タルキートでブーツやその他の備品をレンタルし再申請してやっと許可を得たとのこと。

逞しく爽やかな若者に会えてこちらも勇気づけられた。

色々と苦労話を聞きながら、お好み焼きやおしるこを振る舞うと、こんなに旨いものをマッキンリーで食べられるとは思わなかったと涙を流さんばかりに食べてくれた。

 2014.6.21.12:00pm〜17:00pm〜20:00pm

メディカル・ポイントからショルダーまで荷上げ。メディカル・ポイントからハイキャンプへは体力だけでなく、アイゼンワーク、ピッケルワーク、ザイルワーク等、登山技術が完璧でないことを痛感。初めて使うユマールの操作も上手くできず、大蔵隊長から度々注意を受ける。体力はあるのだから技術をもっと身に着ければと慰められる。

 2014.6.22 (晴れ)

願っていたオフ。メディカル・ポイントでは下山する登山者が余った食料を橇にひいて譲りにきてくれた。ボストンから来たという登山者から大量のソーセージとナッツ類、コーヒー、紅茶などを分けてもらった。アメリカ人の人の好さを感じる。

 2014.6.23.11:00am〜21:00pm (晴れ)

メディカルキャンプからハイキャンプへ。天候良好でカヒルトナ氷河の眺めが素晴らしい。昨日のフィックスロープも少しは慣れてくるが、なかなか思うようにはならない。岩稜帯は雪が多く、今年は歩きやすいとのこと。少しは景色を楽しみながら歩くことができた。ハイキャンプへ着くと丁度、山頂から降りてきた市川高詩さんと会う。最高の天気で登頂できた喜びを分かちあうことができた。いよいよ明日はわれわれが登る番だ。

デナリパスに向かうスロープ
デナリパスに向かうスロープ

 2014.6.24〜27 (雪)5250メートルで4日間の停滞

6月25日(水)を登頂予定日として順調に登ってきて、6月23日(月)に5250mのハイキャンプに到着。いよいよ明日には登頂と思っていた所、ここから最悪の4日間が始まった。24日(火)朝、曇りがちであったが、支度を済ませて登り始めようとすると天気が悪くなってきた。暫く思案していたが、取り敢えず今日は止めようということになった。

その夜から風雪が厳しくなり27日(金)までほとんどテントから出ることができなくなってしまった。テントから出るのは雪掻きのため。外はマイナス25度で、数回スコップで雪を掻き出すとたちまち息苦しくなってくる。

酸素は平地の半分以下である。手袋が濡れると凍傷の危険もある。昼間、雪が小止みなった時に用を足すためにテントから出るだけで、一日中テントの中で携帯の音楽を聴き、たわいもない話をして過ごす。井上陽水の「毎日、吹雪、吹雪、氷の世界♪♪」なんか聴いて気晴らしする。ボブ・マレーのレゲエもマッキンリーで聴くと味わい深い。アタックのために持参した食料は4日分しかなく、帰りの飛行機の便も考えると28日(土)が登頂のラストチャンスとなった。

フットボールヒル手前で休憩
フットボールヒル手前で休憩

 2014.6.28.10:00am〜21:00pm (晴れ)

朝、非常食1食分を3人で分ける。さすがに20数年の登頂歴のある大蔵隊長はこの日最高の天気を用意した。ここまで4〜5日間の周期で天候が変化してきたのが幸いした。日の出を待って登山を始める。

待ちかねたように登山者が続々と登ってゆくが、稜線手前のフィックスで難儀しているパーティーが多く、1時間以上停滞する。やっと稜線にでると紺碧の空とどこまでも続くデナリパスが待っていた。最高の天気とコンディションを楽しみながらデナリを満喫できた。

 2014.6.30 (晴れ)

タルキートナに戻ると15日間我々の帰りを待っていてくれたOさんが迎えてくれた。

 2014.6.29〜30 (晴れ)

デナリの素晴らしさを感じた白夜の下山
デナリの素晴らしさを感じた白夜の下山

 

 2014年3月17日(月)、デナリ国立公園管理事務所に入山許可申請してから登山準備

デナリに登頂する場合、アメリカのガイド会社(デナリの商業登山が認められているのは米国の6社だけ)に申し込む方法もあるが、費用が120万円ほどになる。

デナリ国立公園のホームページにアクセスして必要事項を記入して申請費用36ドルをクレジットカードで支払うと1か月程で許可が下りる。

総費用はツアー費用の半額以下で済む。入山前にタルキートナのレンジャー事務所で1時間程のブリーフィングを受ける。登山の注意点や危険個所の説明、汚物の処理方法やゴミはすべて持ち帰ることなど。違反した場合は100ドル程の罰金を支払うことになる。商業登山を認めず自然保護を徹底する米国の国立公園のポリシーに潔さを感じた。

 S藤(守) 記

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